2009年7月16日

岩波文庫のこと 収録作品と評価

書物を安価に流通させ、より多くの人々が手軽に学術的な著作を読めるようになることを目的として創刊された、日本初の文庫本のシリーズである。「袖珍本」などのように小型の版型のシリーズはそれ以前にも発刊されていたが、現在のような「文庫本」のスタイルを完成させたという意味で、岩波文庫の発刊は日本出版史上大きな意義がある。

岩波文庫は、日本及び世界の古典的価値を持つ文学作品や、学術書を幅広く収めている。評価の定着したもののみを収めるという方針をとり、それに達しない、むしろアクチュアリティで注目されるものは、かつては岩波同時代ライブラリー、現在では岩波現代文庫に収められる。1991年に、ワイド版が創刊した。ロングセラーを主に、現在は毎月一冊刊行している。

岩波文庫に続いて、旧新潮文庫や改造社文庫を始め、すでに戦前期にも、文庫本を出す出版社はあった。ことに昭和50年代から平成5年に掛け、講談社学術文庫、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、講談社文芸文庫、平凡社ライブラリーといった良質のシリーズが現れたために、岩波文庫は、戦前・戦後期のような唯一無二という地位ではなくなっているものの、古典的良書の継続的な提供という意義は未だ健在である。ただ、『紫禁城の黄昏』、『E・H・カー、危機の二十年』、『エドマンド・バーク フランス革命の省察』等のようにその翻訳内容に問題が提起される事もしばしばある。

書店の立場から見た岩波文庫は、返品のできない買取での扱いとなるため(書店で扱う本は基本的に仕入れ値段そのままで返品ができる委託販売の形式である)仕入れにはリスクが伴う。そのために岩波文庫を扱っているか否かは、その書店の規模や傾向を判断するバロメーターと成り得る。

また買取を要求するのに在庫切れの再版に機動的に応じない点で、流通サイド及び購買層の読者からの批判は根強い。

文庫の巻末に掲載されている「読書子に寄す―岩波文庫発刊に際して」は、当時の教養・啓蒙主義のもと、知識を一般民衆に普及させるために刊行したという旨とともに、ドイツのレクラム文庫を模範とした事などが書かれている。当時の社長である岩波茂雄の名前が記されているが、起草は三木清である。

かつてはカバーはなく、硫酸紙で覆われていた。また、色帯をつけて、分野を明示していた。1987年7月の新刊から全てカバーをかけ、帯色を背表紙に表現するようにした。

また定価は金額ではなく星印(★)で示しており、★一つ○円などと、星の数で値段を計算していた(1927年の創刊当初は★一つで20銭であった)。値上げの際には、1973年に★1つあたりの値段を70円に値上げするまでは、★単価の改訂で告知していた。しかし、1975年の定価改定時に、☆マークを導入し、★の在庫品に関しては当時の★1つ70円という旧価格で販売し、新刊・重版時に☆マークに切り替え、☆1つ100円とした。さらに、1979年からは、★マークを50円として設定しなおし、100円の☆マークと併用して50円刻みの価格設定をおこなった。この方式は1989年の消費税導入時に総額表示がおこなわれるまで続いた。

また、岩波文庫には原則として絶版はなく(翻訳が新しくなったときなどには古いものは絶版にすることがある)、品切れがあるのみで、1982年から定期的(かつては春と秋、現在は春)に、リクエストの多い過去の刊行物の復刊を行っている。重版も毎月3.4冊と、数十冊の一斉重版も年に1.2度している。

1991年に活字を拡大印刷したB6型のワイド版が始まり、現在も月1冊で刊行されている。


『ウィキペディア(Wikipedia)』引用

デザインなど意外とすきですね。自宅にも何冊かあります。

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